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2025.12.5
11月10日から22日まで、ブラジル・アマゾン川河口の街ベレンで開催された温暖化対策の国際会議COP30。今回、FUTURE KID TAKARA製作委員会の企画プロデューサーで、NHKエンタープライズの堅達京子エグゼクティブ・プロデューサーがブラジルに渡航し、2つのセミナーに登壇。「FUTURE KID TAKARA」の取り組みを世界に発信してきました。
11月18日に行われたのが、ジャパンパビリオンでのNHKエンタープライズ主催のセミナー「気候危機を食い止めるために -ステークホルダーの連携による啓発活動と環境教育-」です。セミナーは英語で行われ、日本人だけでなく、地元ブラジルやアフリカからの来場者も含め、たくさんの人々が参加しました。
まず、ニューヨークの国連本部のグローバルコミュニケーション局で気候変動分野のチーフを務めるマルチナ・ドンロンさんが登壇。FUTURE KID TAKARAも参加している国連の「1.5℃の約束」キャンペーンについて、国際的にもモデルケースになる取り組みだとして高い評価と期待が表明されました。
このあと、基調講演として、堅達プロデューサーが発表。この中では、アマゾンの熱帯雨林で開催されていることに敬意を表して、FUTURE KID TAKARAの#8「森を増やそう!」が上映されました。登壇者には、日本とブラジルの関係を研究している慶應義塾大学の舛方周一郎准教授や、オランダやブラジルの大学でアマゾンの問題を研究しているクリスティナ・ユミエ・アオキ・イノウエさんもおられ、アマゾンの熱帯雨林の破壊をタカラやシュガーが目撃するストーリーや、「森は海の恋人」という源じぃの発言に対し、大きな共感が語られました。もう一人の登壇者のNPO
ZERIジャパンの山本麻里子さんも海の保全に取り組んでおり、改めて森と海という、つながりあっている自然環境を守っていくことの大切さについて認識を新たにするセミナーとなりました。
さらには、東京都千代田区の富士見小学校でのタカラの動画を使った環境教育の授業も紹介されました。このほか、俵万智さんの作詞による主題歌「地球のなみだ」もお披露目され、COP30に参加した人たちに強い印象を与えました。
なお、このセミナーの模様は、下記のリンクから視聴いただけます。(英語のみ)
https://youtu.be/ykf6-c6y3pg?si=z1DL8OFppEjLntGG
11月20日に行われたのが、国連SDGパビリオンでのセミナー『「1.5℃の約束」 メディアの連携とアニメを使った環境教育』です。プレゼンターは堅達プロデューサーが務め、主に海外からの観客が参加しました。こちらのセミナーでは、1.5℃の約束についてのより詳しい紹介と、「FUTURE KID TAKARA」についても、より多くの上映が行われました。
#1の「未来から来た子ども」に加え、#8の「森を増やそう!」さらには、#6の「温暖化でスポーツができない?」を上映。特別協賛をいただいたイオン環境財団や協賛をいただいたJリーグの取り組みについても、世界に発信されました。
ところがこのあと、国連と連携している#10の「みんなでできる10のこと」の上映をしている最中に、思いがけない事態が起きました。なんと会場となっているCOP30のパビリオンエリアで火災が発生。避難命令が出てしまったのです。登壇していた国連SDGパビリオンは火元から200メートル以上離れており、皆無事でしたが、残念ながら後半のプレゼンテーションは中止に追い込まれてしまいました。
後に炎が燃え盛っている映像を見て火災の凄まじさに驚き、安全確保の観点から致し方ない非常事態だったと思います。火災の原因は電子レンジの電圧の差などが原因とみられていますが、個人的には「地球はいま、燃えている! 非常事態なんだ!」ということをCOP30の参加者全員に突きつけているような映像にも感じました。こうしたこともあり、こちらのセミナーの途中までの映像の公開の予定はまだ未定となっております。
COP30では、国際的な熱帯雨林保護の枠組みであるTFFFが設立されたり、異常気象などによる被害を減らす適応分野では、途上国への資金支援を2035年までに少なくとも3倍に増やす努力を求めることで合意するなどの成果もありました。しかし、肝心の脱化石燃料への工程表の策定については、開催国ブラジルなど80カ国以上が策定を求める声明を発表しましたが、サウジアラビア・ロシアなどの産油国、開発途上国の一部が反対。日本も声明には加わらなかったのが現実です。
アマゾンの熱帯雨林の豊かさを目の当たりし、そこで生きる先住民の方々にも出会った今回のCOP30。トランプ政権の誕生で、温暖化対策が停滞する今だからこそ、改めて環境教育に力を入れ、世界に「FUTURE KID TAKARA」を広めていきたいと強く思ったブラジル滞在となりました。