代々木公園で「もしもFES渋谷」開催 – 「TKB」コンセプトを通じた避難所改革の発信 –
渋谷から発信する「避難所を人間らしく」
2025年8月30日・31日、渋谷区の防災イベント「もしもFES渋谷」(主催:こくみん共済、一般社団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザイン、もしもFES渋谷2025実行委員会)が代々木公園で開催され、NHKエンタープライズ(NEP)はNHKアートと共同で出展しました。
首都直下地震などへの備えが求められる中、「避難所を人間らしく」という視点から、避難生活の質の向上をテーマにした展示を行いました。
NEPが中心となって発信したのは、「TKB48=トイレ・キッチン・ベッドを48時間以内に避難所へ」というコンセプトです。これは、発災後48時間以内に清潔なトイレ、温かい食事、安心して休めるベッドを整備することを目指す考え方で、避難所改革の必要性を伝えるものです。
2回目の参加となった今回は、標準化された「TKBユニット」集積・配送システムや、可搬型の水供給機器、プライバシーを確保できるテントなど、ハード・ソフト両面から展示を行いました。
多様な参加者と共に進める避難所改革
メインステージのトークセッションでは、防災担当大臣(当時)をはじめ、防災分野の研究者や企業、学会関係者など多様な立場の参加者が集まり、具体的な取り組みや課題について意見を交わしました。
NEPは番組制作などを通じて得た防災・減災の知見を活かし、地域社会や関連団体と連携しながら「人に寄り添う避難所づくり」の実現に向けた啓発を進めています。
NHKアートによる展示とワークショップ
NHKアートは「情報を伝える」をテーマに、ユニバーサルデザインの取り組みや、雨量・風量をリアルタイムに可視化する自社開発システムを展示しました。展示什器にはサステナブルな素材を使用し、前回の出展時の資材をリユース。
また、防災デザイン研究会の監修によるワークショップ「ピクトグラムサインをつくってみよう」も実施し、全4回が満席となりました。
来場者は日常生活でも見慣れたピクトグラムの意味を学びながら、災害時の情報伝達の大切さを体験しました。
さらに、神戸大学を中心に全国の建築学生が参加する「失われた街模型復元プロジェクト」によるジオラマ模型も展示。震災前の街並みを再現した模型を通じて、震災の記憶と教訓を次世代に伝える試みとして多くの来場者の関心を集めました。
協力企業とともに広げる防災の輪
今回の出展には、防災や衛生・水供給分野の企業に協力していただきました。NEPのSDGsプロジェクト「社会課題解決貢献ワーキンググループ」が中心となり、関係各所と連携して運営を実施。酷暑の中での開催となりましたが、多くの来場者が各ブースを訪れ、災害時の備えや避難所のあり方を考えるきっかけとなりました。
NEPは今後も、防災・減災に関する発信を通じて、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。
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