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サステナブル制作現場

映像やイベントなどコンテンツのサステナブル制作への取り組み

映像やイベントなどコンテンツのサステナブル制作への取り組みの画像

「番組制作時にできるだけCO₂の排出量を抑えたい」「環境に配慮したライフスタイルに変えていきたい」「子供が暮らす未来を良いものにしたい」──こうした思いをもとに、NHKエンタープライズとNHKアートでは、サステナブルな番組制作に向けた取り組みを進めています。本記事では、制作現場で共有されている「グリーンブックTIPS版」や、部門ごとの具体的な実践例をご紹介します。

グリーンブックTIPS版の導入

「わたしたちのグリーンブック」は、制作過程で取り組みやすい事例をまとめ、NHKグループ内で広く共有することを目的に編纂された資料です。TIPS版はその骨子を抜粋し、グループ全体での活用を想定してまとめられています。具体的で実践的な情報を簡潔に紹介しており、現場での活用がしやすい形式となっています。

参考)トロント研修で得た知見を共有するため 「わたしたちのグリーンブック」を作成

オフィス業務においては、紙の使用削減に向けた取り組みを紹介しています。印刷の見直しや裏紙の再利用、画面共有による打ち合わせなど、業務の中で日常的にできる環境配慮の工夫を挙げています。
食事・飲料に関する取り組みでは、紙パック飲料の活用やリユース容器の使用を示しています。また、個包装をなるべく避けることや、食材によってCO₂排出量に違いがあることにも触れ、選択の視点を提案しています。
移動・宿泊・運搬では、CO₂排出量の少ない移動手段の選定や、現地調達による輸送の最小化などの取り組みを紹介しています。宿泊施設については、再生可能エネルギーの使用有無を参考にすることも示しています。
エネルギーに関する取り組みでは、LED照明の使用や省エネ対応機材の選定、ソーラーパネルの活用などを紹介しています。使用する機材や設備を見直しながら、制作現場におけるエネルギーへの配慮を進めています。
演出では、環境に配慮したストーリーや演出内容を取り入れる工夫を示しています。視聴者への発信だけでなく、制作そのものにもサステナビリティの視点を持ち込む姿勢を伝えています。
美術においては、過去のセットや資材の再利用、廃材の分別と適切な処理、素材を抑えた表現の工夫などを紹介しています。新規資材の購入を最小限にとどめることで、環境負荷の低減を図っています。
番組制作にあたっては、「グリーンメモ」を作成し、環境配慮に関する実践例や工夫を記録し共有するよう推奨しています。こうした記録の蓄積と共有により、次の制作現場での改善や工夫の展開に役立てています。

制作現場に役立つ“選べる” サステナブルサービス・リスト

「サステナブルサービス・リスト」は、サステナブル・プロダクションを実現するため、環境配慮型の物品やサービスをワンストップで検索できるツールです。環境コンサルティング会社と連携し、認定基準に合致する商品・サービスを全国から選定。ホテルやロケ車など、現場のニーズを反映し、再エネの有無や認証情報、金額の目安なども掲載されています。

環境と向き合う、私たちの制作スタイル

私たちは、カナダ・トロントでの研修で得た知見をもとに「わたしたちのグリーンブック」を編纂し、NHKグループ全体で共有しています。そこに込めたのは、制作現場の中でできる工夫や配慮を積み重ね、サステナブルな制作を少しずつでも確実に広げていきたいという思いです。

実際に全国に支社を持つNHKエンタープライズでは、本社・支社間を繋ぐ遠隔編集システムの利用による移動機会の削減や、資料等の積極的なペーパレス化によってCO2排出量の削減に向けた取り組みが始まっています。

これからも、現場発の取り組みを通じて、持続可能な番組づくりを実践していきます。

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